近江の天井川
滋賀県下の国道や旧街道を車で走っていると「なんでこんな所にトンネルがあるのか」と
疑問に思う箇所に遭遇します
今まではそんなに気にしていませんでしたが 最近 河川工事でトンネルが無くなった
場所(国道8号線の希望が丘入り口近くの家棟川)があり 改めて調べてみましたら
それが天井川であることが分かりました
すでに取り壊されている箇所がありますが 県下で現存するものを記録しました
天井川の成り立ち(私見です)
学問的なことは分かりませんが 滋賀は周囲を山に囲まれすべての川が琵琶湖に注ぎ込みます
あわせて奈良の寺院や石山寺建築のためにほとんどの木材が切り倒されて周囲が禿山になり
多くの川が氾濫を繰り返したことは間違いありません
(ちなみに代表的な河川の野洲川でも昭和に入って10回もの堤防決壊・橋の流出の被害あり)
トンネル(隧道)の幅が狭いことから 出来る限り耕作面積を少なくしないように堤防で川を囲い
川の堆積物が溜まったり 河川の氾濫があるとまた堤防をかさ上げを繰り返す ことで川床が
周囲の土地よりも高くなって天井川となったのではないかと推測します
1、草津川(草津市)
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明治19年(1886年)に築造し現在国道1号線とJR琵琶湖線が草津川を潜り抜けています
2002年6月に廃川になり新しい川が約2キロ離れたところに出来ています
跡地は公園になるようです(堤防の桜は綺麗です)
2、大沙川隧道(湖南市吉永)
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明治17年(1884)に築造された隧道で「吉永のマンポ」と呼ばれているそうです
この道は旧東海道です
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大沙川隧道のすぐ上の堤防に植えられている樹齢750年以上の「弘法杉」があります
一説によれば左手で食事する子供にこの木の枝で作った箸で食事をさせると右手で
食事するようになると言われているそうです
3、由良谷川隋道(湖南市夏見)
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明治19年(1886)に築造で花崗岩で出来ています
アーチが綺麗です
4、百瀬川隧道(マキノ)
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大正14年に築造された隧道
百瀬川は急流で典型的な扇状地で大正5年から10年の間に堤防の全破壊が12回
もあったと記録されてことから堆積物で天井川化したのでないでしょうか
5、家棟川隧道(大津市近江舞子)
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国道161号を跨ぐ家棟川隧道(コンクリート造り)
普段は水が流れていないが降雨時には比良山からの水が流れる
滋賀県下には三本の家棟川がありそれがすべて天井川となっていたことになる
6、宮川隧道
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県道108号 大津市羽栗 16.3m
廃川となった隧道
1、家棟川隧道(湖南市針)
明治19年(1886)に築造
昭和54年(1979)河川改修工事で家棟川隧道は撤去された
2、家棟川隧道(やなむねかわ)
湖南市の家棟川と同じ名前の河川で大正6年築造された
こちらは旧中仙道でで国道8号線が隧道を抜けていたが河川改修工事で撤去された
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