9、西近江路

                             (別名:北国海道)

     この西近江路だけが別名北国海道と
の字が当てられている
     大津から湖西を通り今津・海津を経由して北陸へと結ぶ最短路として時代時代に応じて
     政治・経済・文化とう重要な役目を果たした路

     
札の辻(大津:東海道より分岐)−北国町通りー観音寺ー尾花川ー際川ー下坂本ー比叡辻ー雄琴ー衣川ー
      真野ー小野(志賀)−和邇ー八屋戸ー木戸ー大物ー北小松ー鴨川(高島)ー勝野ー鴨ー西万木(安曇川)−
      安井川(新旭)−熊野本ー木津ー今津ー弘川ー深清水ー新保(マキノ)−蛭口ー海津ー野口ー国境ー
      追分(福井:敦賀)


1、唐崎神社常夜燈


 銘    献 燈
      
 所在地 大津市唐崎1丁目
       唐崎神社内
 
 建立  寛政十二年(1800)

 願主  祈願所 別当松之本
     

 唐崎神社は日吉神社の摂社
 唐琵琶湖に突き出した境内
 には多くの常夜燈と立派な松
 があり 近江八景の一つでも
 ある

2、蓮聖寺常夜燈


 銘    日吉山王
      

 所在地 大津市下阪本3丁目

 建立  不詳

 願主

 蓮聖寺前の東南寺川の側に
 立つ



3、苗鹿常夜燈


 銘    太神宮
      両宮月参

 所在地 大津市苗鹿1丁目

 建立  弘化四年(1847)

 願主  苗鹿講

  基壇に常夜燈の文字
  伊勢参りが盛んだったようで
  雄琴・和邇・堅田・仰木など寄進者  に多くの名がある

  地元の人によれば区画整理
  当所の位置から移動している
  とのこと





4、法光寺常夜燈


 銘    薬師如来
       法光寺

 所在地 大津市苗鹿二丁目

 建立  弘化四年(1847)

 願主  地面施主 与四郎
 世話人 年寄仲 安本平四郎
            寺下五郎兵衛






5、堅田・仰木道常夜燈兼道標


 銘    白髭大明神
      

 所在地 大津市本堅田3丁目

 建立  天保七年(1836)

 願主  京都寿永講


 同じ白髭大明神の常夜燈が
 木戸の樹下神社近くにある
 (仰木道と北国海道との交差
  する場所で榎の大木の脇に
  あり)  
   






6、小野南常夜燈


 銘    愛宕山夜燈
      

 所在地 大津市小野
      文殊神社内

 建立  延享四年(1747)

 願主  田中嘉大夫有長

 JR湖西線の近くの文殊神社内
 にあり 元は別のところにあった
 ようだ





7、小野神社常夜燈


 銘   秋葉山夜燈
      

 所在地 大津市小野

 建立  不詳

 願主

 小野は遣唐使として有名な
 小野妹子の出身地
 古墳や小野神社 小野篁
 (おの たかむら) 神社など
 歴史的建造物が多くある

 小野から木戸には秋葉常夜燈
 愛宕山常夜燈が多い







8、今宿常夜燈A


 銘    秋葉大権現


 所在地 大津市和邇今宿

 建立  不詳

 願主

 琵琶湖湖岸沿いの集落に建つ













9、今宿常夜燈B


 銘    八■宮
      

 所在地 大津市和邇今宿

 建立  不詳

 基壇  村内安全
      若連中

 上記の秋葉常夜燈と同じ場所に
 ある






10、貴船神社常夜燈


 銘    秋葉三尺坊
      
 所在地 大津市和邇今宿
       貴船神社内

 建立  不詳

 願主

 秋葉三尺坊とは静岡の秋葉山を
 指し 「秋葉三尺坊大権現」「秋葉
 山大権現」を指すとのことです
 いずれも 火伏せの神として愛宕山
 と同様に信仰されていたようです





11、和邇南浜常夜燈


 銘    秋葉大権現
      
 所在地 大津市南浜町

 建立  天明五年(1785)

 願主  講中

 和邇南浜の公園の一角に金網に
 囲まれている
 


12、和邇南浜唐崎神社常夜燈


 銘    常夜燈
      

 所在地 大津市和邇南浜
       唐崎神社内
 
 建立  不詳

 願主

 唐崎神社の小さな祠の前に建つ

13、和邇高城常夜燈


 銘    十一面観世音
      

 所在地 大津市高城町

 建立  慶応二年(1866)

 願主  世話方中 中村濱 佐右ヱ門
             栄治郎他

 天台真盛宗の寺院 報恩寺への参道
 にあり 報恩寺は近江三十三ケ所観音
 霊場で十一面観世音が祀られる




14、和邇中浜常夜燈


 銘    愛宕山
      

 所在地 大津市和邇中浜
       R161号沿い
 
 建立  不詳

 願主

 和邇中浜のR161号沿いには小さな
 愛宕山常夜燈が残されている
 集落として火災に注意していた証拠
 では





15、北浜常夜燈


 銘    住吉神社常夜燈
      

 所在地 大津市北浜

 建立  明治十一年(1878)

 願主 藤井七朗兵衛
     千田六■朗

 R161号から山側にある住吉神社
 (海の神)へ向かう分岐点にある




16、八屋戸常夜燈


 銘    秋葉山夜燈
      

 所在地 大津市八屋戸

 建立  文政四年(1821)

 願主  末廣講

 八屋戸の集落内の祠の側にある


17、木戸愛宕山常夜灯


 銘    愛宕山常夜燈
      

 所在地 大津市木戸

 建立  昭和54年(1979)

 願主

 琵琶湖湖岸沿い(海道筋・北国下海道)
 に新しく設置されて常夜燈



18、木戸湖岸常夜燈


 銘    献 燈
      

 所在地 大津市木戸

 建立  

 願主  

 木戸湖岸に建つ自然石の常夜燈



19、木戸常夜燈


 銘    秋葉山夜燈
      

 所在地 大津市木戸
      樹下神社鳥居側

 建立  不詳

 願主

20、木戸白髭常夜燈兼道標


 銘    白髭大明神
      

 所在地 大津市木戸

 建立  

 願主

 木戸常夜燈からわき道を進んだ角
 同様な白髭大明神は堅田・仰木道
 にある





21、木戸太神宮常夜燈


 銘    太神宮
      村中安全

 所在地 大津市木戸

 建立  

 願主

 西近江路には珍しい太神宮常夜燈



22、木戸愛宕常夜燈

 木戸集落の要所に愛宕山常夜燈が見られる

25、木戸村中常夜燈


 銘    常夜燈
      

 所在地 大津市木戸

 建立  

 願主

 村中の畑の中にある祠側に建つ


26、木戸村中毘沙門天常夜燈


 銘    毘沙門天夜燈
      

 所在地 大津市木戸
      毘沙門天前
 建立  

 願主

 四天王の一つである毘沙門天は平安京
 の鬼門(北方)を護る守護神であるが
 なぜ 湖西の地に小さな祠として
 あるのか

27、木戸樹下神社常夜燈


 銘    常夜燈
      

 所在地 大津市木戸
      樹下神社鳥居前
 建立  

 願主

 R161号のすぐ脇に立つ大きな自然石
 で出来た常夜燈
 県下には9社の樹下神社があり
 「玉依姫命」を祀る


28、大物薬師如来常夜燈


 銘    薬師如来常夜燈
      

 所在地 大津市大物

 建立  明治十六年(1883)

 願主  願主村中 信者中

 大物集落の背後には比良岳(1051m)
 が控えている その中腹に薬師堂があり
 その道しるべと言われている

 この海道筋には薬師如来常夜燈は二基
 あり









29、比良天満宮常夜燈


 銘    常夜燈
      天満宮 

 所在地 大津市北比良
       天満宮境内

 建立  天明四年(1784)

 願主  万人講中

 天満宮境内にあり本来は神社のもの
 しかし 海道筋の灯かりとして重要で
 あったのでは



 

30、北比良常夜燈


 銘    永代常夜燈
      

 所在地 大津市北比良

 建立  昭和四十五年再建

 願主  高橋平次

 昔 比良村に八紘山という力士がいた
 湖東で巡業の時 お満という娘が一目ぼれ
 「百夜湖を渡ってくれば夢を叶えようと
 約束し 娘はこの常夜燈を目印に「たらい
 舟」で通ったが満願の九十九日の夜
 娘の執念に恐れた八紘山は目印の常夜
 燈の灯かりを消した
 目標を失った娘は湖上でさまよっている時
 に「比良八荒」に逢い湖の底に沈んだとの
 いい伝えがあり 
 娘を悼む碑が対岸の守山市今浜 樹下神
 社近くにある







 参考:守山市今浜 樹下神社近くにあるお満常夜燈


31、北比良総蔵浜常夜燈


 銘   金毘羅大権現
      大津 米屋中

 所在地 大津市北比良

 建立  明治五年(1872)

 願主

 「比良石」を運び出す北比良湊があった
 場所に立つ常夜燈であるが 立木に囲
 まれれ その存在も地元の人にも忘れ
 られている
 





2、白髭神社常夜燈


 銘   海上安全心願成就
      白髭大明神
      永代常夜燈

 所在地 高島市鵜川

 建立  天保四年(1833)

 願主  京都 紅近江屋藤兵衛
      京都 早藤卯左衛門
          松屋卯兵衛


 平成十六年に撤去されていたものが
 復元された(国道拡張時に一時撤去)




 

33、打下(うちおろし)常夜燈


 銘    山王大権現常夜燈
      

 所在地 高島市勝野

 建立  明和五年(1768)

 願主

 日吉神社のお旅所前にあり

 



34、秋葉神社常夜燈A


 銘    秋葉山夜燈
      

 所在地 高島市拝戸
       水尾神社内

 建立  天保十三年(1842)

  畑勝野線(296号)沿いの水尾神社
  境内にA・Bともあります
  また 境内には「拝戸古墳群」が
  あります   




 

35、秋葉神社常夜燈B


 銘    秋葉山夜燈
      

 所在地 高島市拝戸
       水尾神社内

 建立  不詳

  神社境内には「八幡大神・豊受大神・
  秋葉大神・天照皇大神」を祀る祠が
  ある   


 

36、武曽(むそ)常夜燈


 銘   伊勢両皇太神宮
      村内安全

 所在地 高島市武曽横山

 建立  明治十一年(1878)

   旧武曽学校の校庭にあり 人と比べ
   てもその大きさが判る  



 願主

37、三尾里(みおざと)常夜燈


 銘    太神宮
      

 所在地 高島市三尾里

 建立  安永七年(1778)

 願主  村中安全
      元三嶋講中

 常夜燈の傍を御殿川が流れ 白い建物
 の後ろのこんもりとした場所は「継体天皇」
 の「へその緒」を埋めたといわれる「えな塚」
 があり また近くには「天皇橋」と呼ばれる
 橋も架かっている
 昔から継体天皇にまつわる伝説のある
 土地柄でもある


38、藤樹神社常夜燈


 銘    金毘羅大権現

 所在地 高島市鴨
       鴨川橋袂

 建立  

 願主

 藤樹神社の常夜燈で海道沿い

39、鴨常夜燈


 銘    ○○菩薩
      

 所在地 高島市出島
       出島地蔵尊前

 建立  

 願主

  北国海道沿いに立つ常夜燈  


三田愛宕山常夜燈


 銘    愛宕山常夜燈
      

 所在地 安曇川三田
      三田子供文庫館敷地ない

 建立  

 願主      


 この近くには石仏で有名な「玉泉寺」がある






40、田中神社常夜燈


 銘    献燈
      

 所在地 安曇川田中

 建立  

 願主

  田中神社参道入口に二基 
  

41、木津(こうつ)常夜燈


 銘    

 所在地 高島市木津

 建立  平成三年(1991)

 願主

  木津は昔から湖上交通の要所で竹生島
  への渡し場であり 若狭小浜藩の米蔵屋
  敷のあったところである
  常夜燈は無かったようで モニュメントと
  して兵庫県西宮市今津港にあるものを
  模したとされる




42、住吉神社常夜燈


 銘    永代常夜燈
      
 所在地 高島市今津

 建立  文政七年(1824)

 願主

 神社関係者の話によれば 現在の国道
 161号が完成するまでは神社前が湊に
 なっており 旅人の往来が多かったとの
 こと     
 また その昔は木津湊との客引き争いを
 秀吉が今津に裁定したとの古文書も残って
 いるそうで歴史があります

43、弘川常夜燈



 銘    天満宮永代常夜燈
      

 所在地 高島市弘川

 建立  明和三年(1766)

 願主


 この天満宮は今津地区の郷社でもある
 今津から小浜への旧九里半街道との分岐
 点で通称「行過天満宮」と地元では呼ばれ
 ている



44、深清水常夜燈A


 銘    永代常夜燈
      伊勢両宮皇大神宮

 所在地 高島市深清水
       日吉神社前

 建立  天保十年(1839)

 願主  藤原宇左ヱ門



   この常夜燈AとBはなぜか神社境内
   からはみ出して北国海道に面して対で
   建っている
  

45、深清水常夜燈B


 銘    金毘羅大権現
      

 所在地 高島市深清水
       日吉神社前

 建立  寛政六年(1794)

 願主  講中 

46、海津天神社常夜燈


 銘    献 燈
      

 所在地 マキノ町西浜
      海津天満宮内

 建立  紀元二千七百四十四年

 願主

 この神社で行われる「力士まつり」は
 有名である



 今津桂       


 銘    永代常夜燈
      

 所在地 今津町桂
      檪原神社内

 建立  

 願主  

  この神社も北国海道沿いにあり






今津川据宮唐崎神社常夜燈     
 


 銘    常夜燈
      

 所在地 マキノ町知内
      川据宮唐崎神社

 建立  

 献燈  今津鳥居時計店  

  この常夜燈は湖岸沿いの松並木に
  面して今津港より海津大崎へ抜ける
  道筋にあたる



 道  標      


阪本城跡の角     


 銘    すく 北国海道   

 所在地 大津市下阪本
       旧阪本城跡の角

 建立

 北国海道沿い





 唐崎神社近く      


 銘    白髭○○   

 所在地 大津市下阪本
       唐崎神社参道への角

 建立   天保七年

 北国海道沿いであるが道標の上部
 は折れ 下部は地中に埋まっている



酒井神社境内


 銘 右 北国
    左 日吉山王 ひゑいさ
   
 所在地 大津市下阪本
       酒井神社境内

 建立   宝暦八年(1758)

 願主 松田

 両社神社と酒井神社のある
 街道の四辻の角にあったが
 道路の拡張時に酒井神社に
 移設された
 道標の半分が地中に埋
 まっている
 



旧堅田港道標


 銘  右 さか本
       大津

    左 かたゝ舟わたし

    すく北国海道   

 所在地 大津市旧堅田
       桟橋近く

 建立   文化十一年(1814)

 堅田は湖上交通の要所で物資や人の
 動きが多かったのでは
     
 舟わたしの表示は東海道(草津)に
 ある矢橋への道標にも見られる





小野妹子道 道標


 銘  外交始祖大徳冠小野妹子墓
     是ヨリ三丁余

 所在地 志賀 小野  
     (小野集落の入り口)
 
 小野妹子は奈良時代(607・8)
 に遣隋使として活躍した

 志賀の小野は小野氏の出身地で
 小野氏にまつわる古墳や神社
 などが残されている





和邇榎道標


 銘  途中大原八瀬京都 道    

 所在地 和邇榎

 道標は道路の中央にあり
 昔 大きな榎があった






 和邇高城         


 銘    北国海道   
         大津江五里
         白髭江五里

     近江西国第八番
         比良山観世音 江二丁

 所在地 志賀町和邇高城
       

 建立

 比良山観世音は天台真盛宗報恩寺の
 こと
 この道標は大津・白髭の中間地点を
 示している








八屋戸


銘    左 かいとう   
         
 所在地 八屋戸
       R161と八屋戸集落への
       分岐点

 建立 文政二年

 
 この道標は文政二年建立とされる
 が石が新しいので作り直したのでは
 





北比良       


 銘    右  北国海道   

 所在地 志賀町北比良
       

 建立   

 田んぼのあぜ道に立つ道標は書体の彫り
 が深く(約5センチ位)書体も滑らかである
 大変めづらしい道標です


高島市勝野       


 銘    近藤翁道
       藤樹神社道   

 所在地 高島市勝野
       

 建立   

 近藤重蔵は北方探検家
 また 中江藤樹は儒学者

 北国海道沿いで交差点のある民家の角
 に立つ









藤樹神社A       


 銘    藤樹神社参拝道
        藤樹書院
        藤樹道

 所在地 高島市鴨
       鴨川橋近く

 建立   昭和十二年

 藤樹神社は大正九年に建立
 神社一帯は管理がよくされている






藤樹神社B       


 銘    藤樹神社参拝道 東十三町
        藤樹書院    東十五町
        藤樹道

 所在地 高島市安曇川町末広
       安曇川駅前広場

 建立   昭和十二年

 同様な道標が二基もあり









安曇川田中      


 銘    すく 京 大津道
       石敢當(セキガントウ)
       すく 北国海道

 所在地 安曇川市田中
       (南市交差点)

 建立   天保十三年(1842)

 石敢當は沖縄でよく見られるが 滋賀では
 今のところこ他では見ない
 場所は中江藤樹生誕の地とされる場所に
 ある


 この道標は膳所藩代官安原氏によって建立
 されたといわれる  
  


新旭町熊野本       


 銘     右 京 大津道
       左 北国海道   

 所在地 新旭町熊野本
       

 建立   

  饗庭野(あいばの)の地で古墳群も多い  





今津浜分       


 銘    右 京 十七里   
        善光寺江八十五里

 所在地 今津町浜分
       石田川堤防を琵琶湖方向へ進んだ
       場所

 建立   弘化元年(1844)

   善光寺とは長野市にある善光寺である 
   この地からも善光寺参りが行われていた
   のでしょう
   他に善光寺の表示がある道標は
   北国脇往還の野一色にある道標のみ




海津大崎      


 銘    右 大崎寺   
       左 大ウラ シオツ キノ本
         志ゆんれ

 所在地 マキノ町海津
       海津大崎港裏手の階段を登った
       途中

 建立   天保五年(1834)

 海津大崎は桜の名所この地から竹生島へ
 渡ったのかも