エトエト祭り(おこないの一種)

                                     老杉神社:草津市


            老杉神社祭礼の神事元は 下笠町の八ヶ村が八年ごとに持ち回りで行われ 
            2月14日に行われる
            「オコナイ」は神事や神饌の作り方など 宮司の指揮の下 昔ながらのしきたりに則って
            執り行われている
            14日は早朝3時に神社集会場に集まり 小豆餅つくりの作業から行われ お昼を過ぎる
            ころまで諸準備がおこなわれる
            特に神饌など細かな作業がおこなわれる

            翌15日は早朝 一の鳥居前に全員が集合して6時に鳥居をくぐって神社へ向かう
            左義長や神饌のお供え・蛇の取り付けと直会(次年度への引継ぎおよび神饌の受け取り)
            などを経てこの行事は取り敢えず終了する



 老杉神社行事録

   昔はすべて口伝であったが 後に記録に留められて現在はすべて式や準備がなされる
   下記のものは14日に準備するものの記録



 小豆餅

   この祭り最大の行事で神聖な行事 夜明けの3時ころから始まる
   臼を二本の竹で挟んで二人で固定させ 臼より小さい杵を上下に動かしてつく(90キロ)
   (一般的な餅つきのように決してこねないので体力を使う)
   つき上がった餅は「藁でくるむ:別の膳」「大小に丸めた初の膳」とする




















 銀 葉(菓子)

   米粉・黒ゴマ・馬尾藻(海藻のホンダワラ)を混ぜて団子状に水でこね これを蒸して臼で薄く
   伸す
   伸したものを更に薄く伸ばして所定の大きさの短冊状に切り揃える
   これを三角に交互に組み合わせ六角状に積み上げていく 空洞には細かく切り刻んだ大根を
   詰め込み乾燥防止とする
   最後にコヨリ四本で結ぶ
















 めすし(フナ寿司の原形)

    酒粕を団子状に丸め 中央に穴を開け 生きたモロコ一匹を頭から押し込む













 カマス

    腹を開いたカマス三匹を重ねて和紙(黄色が下 赤が上になる)で括る










 雀鳥

    雀の腹を上に向け足を和紙(赤と青の和紙)で括る
    今はスズメも捕るのが難しくなったようで 京都伏見のスズメの焼き鳥店の閉店が続いて
    いるそうです










 青のり

    伊勢産の糸青のりを 和紙二枚重ねで括る










 鯛

    和紙(赤と黄色)で括る










 長老宅の飾り

    14日までに出来上がった神饌などのお供えを今年の祭りの長老宅に飾っておく
    このお宅は三代続いて長老を務めた家系だそうです
    (八年に一回当番に当たる)






「束大根」「束ごぼう」とうに柳の二股で人形をつくり
詩を書いた幟を刺して美しく飾りつける






 練り(15日の祭りの当日)

    朝5時ころからお供えを担いだ一行が集落を回って 一の鳥居前に集合
    6時に神社前の左義長に点火されると この明かりを頼りに「鋤」「御幣」を持った長老を
    先頭に前日にこしらえたお供えを担いで「エトーや エトーや」の掛け声とともに神社に運び
    入れる















 左義長

    この集落の左義長は2月15日に行われ 各家庭の神様の飾りものや古い札を持ち
    寄り燃す









 神饌のお供え

    神社境内に運び込まれた神饌やお供えものを神殿前(現在改装中)に並べる
    すべてが緻密でかつ豪華である
    これを境内に祭られている神殿にお供えする









飾りの左はイノシシ 右は竜




 蛇 縄

    長さ20メートルにもなる蛇縄
    この蛇縄を編むことから「オコナイ」が始まるそうである そしてこの頭が出来上がるまで
    二日も要したと言っておられた
    神社前の鳥居に頭と尾の部分を巻きつけ 胴体を吊り下げて飾りつけを終わる





  
蛇の足を作る
 


鳥居への取り付け


飾りつけの終わった蛇縄
五月の大祭(サンヤレ祭り)時に降ろされる


 直 会

    拝殿に八村(殿村・細男村・宝之村・獅子村・鉾之村・天王村・十禅師村・今村)の長老たち
    が集まり 宮司の祝詞の後 境内の各社にお供えされていたものを運び出し 集まった各村
    の長老の前に置かれ お神酒を頂いた後 各村へ持ち帰る