山 之 神   (栗東市 上砥山)

                                               H20.2.12    

          旧正月の行事として行われる栗東市・上砥山の山之神が12日にクライマックスを迎えた

          男神:オッタイ(クロマツ) 女神:メッタイ(アカマツ)で男女交合の形をとったご神体を 
          四人の男性当番によって 「拵宿」から「モッコ」と呼ばれるカゴに載せられて「神宿」へ
          「嫁入り」する祭事である

          拵宿から神宿へ嫁入りし 当番の挨拶のあと三三九度の盃を行う

          この後当番は 深夜に全裸で川に飛び込み身を清め 玄米とトックリを洗ってこれをカマドで煎る 

          この後 山中にある二箇所の祭場へ運び 当番はメッタイを持つと これをオッタイの上に幾度も
          上下させ 大声で「オッタイ・メッタイ ワー 清九朗 お松 ワー」と唱え すべての行事が終わる
                                                  (区長さんより頂いた資料より)

          この祭事は男性だけの輪番制で受け継がれ 四人の当番は身を清めて 7日間家を離れて村の
          集会場で共同生活を送り準備作業に入る

          林業・農業を専業に行っていた時代は 当たり前の祭事の所作であろうと思われるが 
          時代や生活様式の変化とともに 当番にあたる方は引継ぎはあるものの詳細は教わることなく
          試行錯誤の中で執り行うことは大変なことだと思った

          特に 男神:オッタイ(クロマツ) 女神:メッタイ(アカマツ)用に適した材料を山中で探し出すこと
          からして大変なことだ

          豊作を祈る「山之神」は 江戸時代(1800年)の記録が残る伝統行事である
          いつまでも伝統を継承してほしい

          区長さんの計らいで祭事を見学させて頂きましたのでその一部を掲載いたします



                            祭事の案内

                    拵宿に祭られたご神体(二対:祭場が二箇所ある)

                   ご神体は墨で男女の顔が書かれています

                         神主による神事

      神事が終わった後藤ツルで作られた「モッコ」にご神体が載せられ「嫁入り」支度する

                       準備が終わったところ

                当番に担がれ「拵宿」を出るご神体

                 伊勢音頭とともに山之神の「嫁入り」行列

                        「神宿」に到着

                 「神宿」に到着したご神体を飾りつけする

                      「神宿」で飾りつけされたご神体

                         「神宿」での神事

                        当番による三三九度

                       深夜に玄米を煎るカマド