芋競べ祭り
(毎年 9月1日)
国指定重要無形民俗文化財・・・・近江中山:日野町
日野町中山地区に 約800年以上の昔からの伝統を今に伝える「芋競べ祭り」は
同町中山の東西の地区で栽培された「サトイモ」の長さを競うもので それぞれ
もっとも大きいサトイモを太い孟宗竹に結わえて 熊野神社に奉納・祈願された後
参加者が社務所で 独特な形式での「三々九度の盃」を酌み交わすことから始まる
「鉦」「太鼓」等の囃子もなく 時を超越したかのような祭りの経過は 誠に素朴である
そして この祭りが親から子 子から孫へと代々引き継がれていることに 感銘を受ける
祭りには「男形」「女形」があり 男形は「黒足袋」で踊りは少し派手であり 女形は「白足袋」
で踊りはおとなしい
祭場の整備
芋の準備
手前の人の紋は「ムカデ」 その左の人の紋は「マムシ」である |
里芋は祈願された後 山子(やまこ)と呼ばれる子供たちに担がれて 村の中を経て野神山の
祭場へと運ばれる(東西の組により祭場までの道中は分かれる
野神山の祭場は、小石が一面に敷かれており(この小石は毎年洗い清められるとのこと)
芋くらべの前の神事(神へのお供えや引き出物の交換、奉納相撲等)が約2時間に
亘って繰りひろげられる (儀式の手順は50もあり 無言のまま行われる)
いよいよ芋くらべの儀式に入るが、芋の長さを測る者が「振舞い酒」をたっぷりと飲まされ
(10回以上ものやりとりがありこの仕草もまたユモラスである)、千鳥足で踊るようにして
測る仕草がまた滑稽で面白い
西が「東の芋より西の芋は、一丈も二丈も三丈も五丈も六丈も長い」と言えば、
東は「西の芋はより長い」という
幾度となくお互いの芋を測り直したあと、どちらかが「先ほどは欲目もござったが・・・
わずか一寸ばかり短こうござる」で勝敗が決して、長い祭りは終了する
ちなみに「西が勝てば豊年」 「東が勝てば不作」との言い伝えが今も残っている