オコナイ 市原

                                                       甲南町 市原
                                                       H23.01.09


      甲南町 市原のオコナイは常照寺薬師堂(乳薬師とも呼ばれる)で行われた
      この二月に堂は解体され 新しくなるので行事の内容も相当変わるようで これが最後の古い形式での行事となるであろう

      オコナイの準備は 勤頭(つとめかしら)と呼ばれる宿でお供え餅や飾りが準備されるが 現在は勤め人が多く 事前に用意される
      公民館では牛蒡盛り(一味でまぶす)と豆盛りが用意され 松に(鶴・亀:昔は大根で作ったそうだが 現在は瀬戸物) 梅に鶯(フキノトウ)
      を準備する
      午前中に薬師堂に飾りつけが終わる

      午後二時に村人は手に藤の木を持参して集まり 頼守(たなもり:一年間の堂守で朝夕お勤めをする)と住職・区長・長老が座す
      頼守がベットウ(木鉢に酒で赤土を練る男根状の練棒)を祭壇に供える
      住職が読経とうが終わると「ダイジョウ」の法印の声があがると 参加者は持参した藤の枝を激しく床を叩く その後 藤の皮を剥ぎ輪
      を作る(五個)

      その後 「一献」が始まり豆盛りが配られる 落ち着くと 先ほど作った藤の輪を3回ほど転がしあう
      そして 「二献」となり牛蒡盛りが振舞われる 

      頼守は薬師堂に飾りつけられた「掛餅」(馬の絵馬と竹で榊に括られたもの)に赤土を練ったベットウで逆「の」を書き入れる

      住職より頼守のつむじに朱(赤土を練ったもの)捺す 頼守は参加者全員のつむじに朱を捺す

      頼守は薬師堂の柱高い位置に朱を捺し 堂に向かって左に捺すときは若者に邪魔されてなかなか捺せない(捺した時の音の響き具合
      によって米の豊作を占う)

      諸々の行事が終わると 来年の役の人に渡され解散する






薬師堂



ドンガラに挿すサイコロ(大根)つくり



一味をまぶした牛蒡



薬師堂厨子前で飾りつけ



焼餅を竹に取り付ける



囲炉裏前から



長押(なげし)に吊るされた「掛餅」



飾り終わった状態



住職の読経



住職の「ダイジョウ」の声で一斉に藤の枝を床に叩く



藤の枝の皮を剥く



輪つくり



一献(お神酒と豆盛り)が振舞われる



五個の輪を三度 転がす(子供が授かるように)



二献(お神酒と一味牛蒡)



頼守は「掛餅」に朱で逆「の」を書く



住職より頼守に朱を捺す



頼守が参加者全員に朱を捺す



朱を捺された子供のつむじ



頼守が厨子の高い場所に朱を捺すのを若衆が邪魔をする



「掛餅」の奪い合い



来年の役に通称ドンガラを渡す