東光寺 オコナイ

                                                  H22.01.11
                                                  水口町杣中 東光寺


          近江地方では「山の神」とともに 1月2月にオコナイと呼ばれる行事が多く行われている

          仏教の修正会(しゅしょうえ)と庶民の新春行事と合わさったもので 五穀豊穣・家内安全・子孫繁栄とうを
          願ったものとされている

          東光寺では年行事役の家で供物の準備がされ 「男餅」「女餅」が拵えられ ワラで作られた「ドウ」と呼ばれる
          ものに小芋で作った「スズメ」を竹串で刺し 胴には「へそ餅」と呼ばれる餅は飾られ 本堂の両端に飾りつけ
          られる

          「男餅」「女餅」は樫の木に割り竹で十文字に括られる

          また 女竹を四つ割りした「ハナビラ」と呼ばれるしたものに 花餅・ミカン・昆布などを交互に刺して鴨居に飾ら
          れる

          オコナイは祝杯(三献:大きな徳利で酒約3升が空けられる)から行われ 当家渡し(年行事役の引継ぎ)の後
          読経がある

          読経の終わりかけに僧侶が「ダイジョウ」と声をあげると 村人は持参した「赤芽の枝」で床を激しく叩く

          その後 「男餅」「女餅」を持ち出して「シャンコ・シャンコ」と囃しながら餅を擦り合わせ 床に倒して更に餅を擦
          り合わせし 紙で拭う所作をする
          この後 年行事の胴上げをし 鏡開きで行事は終わり 帰りに供物の一部を各自貰って解散する




東光寺



薬師如来が祭られた祭壇
左:女餅  右:男餅



ハナビラとワラと竹串されたスズメおよびヘソと呼ばれる丸い餅



小芋で作られた「スズメ:子宝に恵まれる」



僧侶はじめ村人の面々



三献の儀式



三献に使われる大きな徳利



年行事役の引継ぎ(左側が新年度の年行事役)



僧侶の「ダイジョウ」の声で一斉に床を叩く



「男餅」「女餅」を持ち出して「シャンコ・シャンコ」と囃しながら餅を擦り合わせる



紙で拭く所作をする



年行事役の胴上げ(胸に酒のつまみを持っている)



各自が持ち帰る品
「宝印・赤芽の枝・スズメ(昔は苗床に飾ったそうである)」