牛 飼 麦 酒 祭(むぎざけまつり)

                                                   H21.07.17−18
                                                   水口町牛飼 総社神社


        牛飼の総社神社は康和二年(1100)の創建
        嘉吉元年(1441)に本殿改修 この時 麦酒(むぎざけ)を醸造して奉納し 五穀豊穣と夏の悪病魔退除を
        祈願したのが始まりと言われ 絶えることなくこの伝統行事は現在に継承されている

        醸造人は「当年の神社宮守」と「前年の宮守」らによって行われる
        ビールの元祖とも言われ 材料は麦(大麦)と麹で出来ており アルコール分はないが 税務署の許可の下
       作業が進められている


   以下主な行事内容

      祭典の前日(7/17)の作業

       早朝 禊を済ませた宮守は白装束に身を調え 当日の奉仕者と共に本殿で祝詞奏上の後 飯道山
       (はんどうざん)中腹より清水を汲み神社へ持ち帰るが 午前4時過ぎから降り出した雨は豪雨となり
       ずぶ濡れになりながら 泥水化した水を晒しで濾しながら汲み取った

       ・持ち帰った水を更に酒醸造用の濾し布で濾し これを沸騰させて定められた適温まで冷ます
       ・大麦(押麦)2升を蒸す(いきなり洗って蒸すので蒸しあがりに約2時間を要す)
       ・用意した麹花5枚(約5升)を白い布を敷いた机の上に広げ これを数人で細かく手でほぐす
       ・蒸しあがった麦を桶に移し シャモジでかき混ぜ 白い布を敷いた机の上に広げ温度管理しながら更に揉み解し
        麹花を混ぜ合わせる
       ・用意された仕込用の樽に冷ました湯を注ぎ 麦と麹をまぜたものを樽に仕込む
       ・大きなシャモジでかき混ぜながら30分ごとに温度を測り これを繰り返す
       ・同様な作業で 仕込み樽三個を用意する
        (これは本番の18日に神主が飲み比べて一樽を選び 神前に供える)
       ・18日の午前10時からの本番に最高の状態に保つため 30分ごとに温度を測り 発酵が進みすすみ過ぎると
        氷で発酵を抑えるなど大変な作業が続く


   祭典当日(7/18)

        出来上がった麦酒と献上物を社務所入り口正面に飾り 宮司が三樽の麦酒を飲み比べ 一つを選んでこれを
        神前に運ぶ式典が始まる
         ・宮司の祝詞奏上などの儀式を済ませた後 参列者に麦酒を振舞う
         ・社務所に戻って 直会(なおらい)では司会(過去の宮守経験者の会)の人たちや奉仕者たちが会する
         ・ビール瓶に麦酒を入れ 杉の新芽で栓をしたものを用意して村人に配る


  祭典の前日(7/17)の作業の様子



宮守と奉仕者による安全祈願



飯道山の中腹での水汲み
(雪のような豪雨の雨粒が白く写る)



サラシで泥水のゴミや砂を除く



汲み上げた水を樽に移す



社務所に戻って更に濾す



用意された麹花(三セット)



大麦を量る


麦を蒸す



麦を蒸す間に麹をほぐす



蒸しあがった麦を桶に移して細かくほぐす



机に広げた麦と麹を混ぜながら温度を測定



用意した仕込みの樽に冷ました湯を注ぐ



麦と麹を混ぜ合わせたものを仕込み樽に入れる



均等に混ぜ合わせる



太鼓の響きが麦酒の発酵を促すとのことである



仕込んだ樽ごとに温度管理の記録



   祭典の当日(7/18)の様子



出来あがった麦酒と献上物(麦四種)



宮司による麦酒の飲み比べ



司によって選ばれた麦酒を本殿に供える桶に移す 新旧の宮守



宮司・宮守さんと奉仕者



麦酒を拝殿に運ぶ新旧の宮守



宮司による神事



新旧の宮守によって麦酒を本殿に供える



神事の後 麦酒を下げる



宮司を始め 参列者に麦酒を振舞う



社務所において直会



村人に披露される麦酒 
(杉の新芽で栓したビール瓶)